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「リーヴァがちゃんと喋った……」
初めて喋ったわけではないが会話らしい会話もなく、訊ねる事に簡単な答えを返すだけだった。そのリーヴァが自
分から喋ったことに有理は驚いた。
りーヴァは有理たちに振り向くとにこりと笑った。
雷鳴が立ち上がった。
「借りができた。なんでも聞け。答えてやる。俺の解ることならな」
背中を向けながら言った。少し頭を傾けて立つ後姿はなんだか泣いているようにも見えた。
「え…?」
有理たちは顔を見合わせた。五月が黙ってうなずく。
「じゃあ……まあ、こっちも曖昧だからわかんなかったらそれでもいいけどよ……リーヴァって何者だ? 何で魔界の
連中に狙われる?」
雷鳴は背を向けたまま答え始めた。
「お前たちには子供に見えるんだろうが俺には"剣"に見える。それも炎に包まれた大剣だ。それと魔界の強い"氣"
を感じる。よってそれ……いや、その子は魔界の者である事は間違いない。だが意思らしきものをあまり感じない。そ れはお前たちも同じだろ?」
「……ああ、最初は外国人だからだと思ってもいたけど……それにしても何か反応がおかしかった」
「作り物だからな。心がなかったから自ら意思を伝えることもない。ATMと同じさ。与えられた質問に答えるだけ」
「作り物?」
有理はリーヴァを見た。
「それもかなり強力な魔力の持主が作った物だ」
「一体、何のために?」
「武器として、飾りとして、趣味……いろいろと考えられる。なぜリーヴァが人の姿で現世にいるのか、剣とは武器で
あるのにリーヴァからは武器特有の威圧感とか殺気とか邪気が感じられないのはなぜか。ひとつ仮説を立ててみ た。リーヴァは剣として生み出されたがそれは武器としてではないということだ。古来、剣は武器の目的以外に別の 目的に用いられることも多い」
「なんだ。それ?」
雷鳴は背中の剣を剣を抜いてかざした。
「この霊鎮刀は、俺は武器として用いることもあるが本来、切ったり刺したりするものではなく木製で道術に用いるも
のだ。"氣"を集中させたり移動させたり……つまり、リーヴァは……やつらの言うところの"リーヴァテイン"は儀式の 為に作られたのかもしれない」
「儀式だって?」
「"三種の神器"って知ってるか?」
「三振の新規? 野球の話?」
「野球じゃない。お前は昔話を聞いた事ないのか? ヤマタノオロチとかスナノオとか……」
「ねーよ」
「古来、日本において"三種の神器"とは神を呼び出す為に使う道具の事だ。その三つとは鏡、玉、剣。道教では"徳
"、"知"、"勇"を現す。王の座に付くものに必要とされる事柄でもある。"リーヴァテイン"は魔界の者たちが何か強力 なものを呼び出そうする為の道具かもしれない」
「……リーヴァ? そーなのか?」
有理はリーヴァに言った。するとリーヴァはにっこりとしながら答えた。
「さあ……私にもわかんない。でも有理たちといるのはすっごく楽しいし大好き!」
「……リーヴァ」
「"あっち"に行くのなんて、すっごく嫌。ずっと有理たちといたいの」
有理は、ほっとしたように優しく微笑んだ。
空には星が見え始めていた。
雷鳴は暗くなり始めた空を見上げた。
「絽菊……生まれ変わって……今度は幸せになってくれ……」
雷鳴はひとりそう呟いた……。
「霊水山のゴーストストーリー」おわり
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