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二稿目
「行け! 行け! 行け!」
ドアを突き破って突入した部隊は抵抗もほとんどさせずに”そいつ”を押さえ込んだ。押さえつけながらも牙を剥いて
まわりを威嚇している。
「ビッチが! おとなしくしやがれってんだ!」
隊員のひとりが"そいつ"をの頭を思い切り蹴飛ばした!
壁に激しく後頭部をぶつけた"そいつ"の動きが一瞬、止まる。
合図と共に強力な紫外線ライトのスイッチが入れられた。光が”そいつ”に浴びせられる。
「ぎゃああああ!」
"そいつ"は怯えながら腕で顔を覆った。光の当たった皮膚から急激に煙が上がる!
部屋の中は異臭が充満したが隊員たちは全員、ガスマスクをしていた。彼らを相手にする場合の準備は十分でき
ているのだ。
「ブラックウェル! いまだ! やれ! やっちまえ!」
屈強な兵士たちに両腕を押さえつけられ"そいつ"の自由を奪った。身動きのできない身体に純銀製の杭が心臓に
当てられた。暴れる"そいつ"の腕がブラックウィルのマスクを剥ぎ取った。
「ちっ!」
鋭い爪がブラックウェルの頬を切った。
「顔を覚えたぞ! 貴様! 覚悟していろ! 必ず復讐してやる! 必ず!」
「……俺をどうするって?」
圧縮ガス式の装置は引き金を引くと杭が勢いよく飛び出した! 硬い肋骨を突き破り純銀製の杭が心臓めがけて
突っこんでいった!
「ぎゃあああああ!」
杭が突き刺さった根元から青白いガス状のものが噴出す。それは光を放ちながら天井まで噴出した。
やがて青白いガスが噴出を終えるた。ベットの上にいたはずの”そいつ”の身体は灰になった。残ったのは半分焼
けた服だけだった。
「よくやった、ニック」
部隊の隊長がブラックウェルの肩を叩いた。
「ええ、けど、ちょっと手間取りました」
ニック・ブラックウェルは大きく息を吐いた。
「"戦は八分の勝ちで良しとする"。東洋の古の武将が言った言葉だ」
ブラックウェルは肩をすくめた。
「よーし、アルファチーム引き上げだ。俺たちの仕事は終わりだ。引き上げる」
部隊を指揮する隊長が合図を出す。部屋の中にいたチームは素早く撤収を始めた。
廊下でバックアップとして待機していたSWATチームが自動小銃を構えて様子を伺っていた。
「こっちは片付いた。あとは”掃除屋”がやる。君たちの仕事も終わりだ」
アルファチームの隊長がSWAT隊員に声をかけるとSWAT隊員は無言で頷いた。
黒の戦闘服で身を固めた男達が早足で家から出てきた。窓を全て閉め切っているのを覗けば家はごく普通の民家
だ。外では別のSWATチームが建物を包囲していた。
「なんだい? あの連中?」
向かいの建物から狙撃銃のスコープを覗いていたSWAT隊員が言った。
「FBIかなんかの部隊だろ? おれたちは脇役だよ」
双眼鏡を持った相棒はそう言ったが実のところ彼も突入した部隊の正体は知らなかった。その背中には何のアルフ
ァベットを記されていなかった。
黒いヘリが道路に着地した。ブラックホークという名の大型の輸送ヘリだ。ヘリには着陸できるギリギリのスペース
だったがパイロットの腕は良かった。
ブレードが巻き起こす強い風の中アルファチームの隊員たちが次々と乗り込んでいく。
「いいぞ、言ってくれ」
隊員たちを収容し終わるとプラックホークは空に舞い上がっていった。
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