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二稿目
「ロック! ポン刀!」
「気安く言うな!」
ロックは文句を言いつつ日本刀を有理に放り投げた。片手でそれを掴むと素早く鞘を抜いた。
「きゃあああ」
レーヴァの叫び声が聞こえた! 声の方を見ると魔界騎士に抱えられたレーヴァが助けを求めている。
「レーヴァ!」
再生した魔界騎士が有理の背後から切りかかった。振り向きざまに一刀で騎士の首を刎ねた有理は連れ去られた
レーヴァを追った。
首を切られた魔界騎士は切り口から黒い灰になって消え去った。
レーヴァを追って外に出た有理は信じられない光景を見た。
炎に包まれた二人の魔界騎士がリーヴァの傍でもがきまわっている。その様子を無表情で見つめるリーヴァに美味
しそうにパスタをほおばっていた少女の面影はない。
「レ、レーヴァ……?」
呆然とそれを見つめる有理は状況が理解できなかった。
その後ろに店から追いかけて飛び出してきたロックと五月がいた。
「一体どうしたんだ?」
「有理さん、何があったの?」
「わかんねえ、俺がでてきた時にはもう、こんなだった」
「レーヴァちゃんがあぶないわ」
「あっ…そうだ」
我を取り戻して有理はレーヴァに駆け寄った。近づく有理に気がついたリーヴァは微笑みを見せたがその笑みはゾ
ッとするほど冷たかった。
倒れて燃え上がっている魔界騎士の横を通り抜けてリーヴァの元に近づくと有理はリーヴァを抱えた。
「お前も焼けちまうぞ。こいよ」
有理はレーヴァを抱えて五月たちも所へ戻った。
店に戻ると店内は多少のうめき声はあるものの騒動は治まっていた。魔界騎士たちも逃げるかハンターたちに片付
けられて今は消滅した騎士の灰しかない。魔界騎士たちの数も少なくなかったが不幸な事に店の中にいた客のほと んどは妖魔狩りを生業とする"ハンター"たちだったのだ。
「ああ、店がメチャメチャだ……」
店内を見回してそう呟くロックの表情は哀しげだった。
「元気をだしてロクさん。みんなで手直ししてきましょ。ねっ」
「さ、さつきさん…・・・やさしい言葉、ありがとうっす」
ロックは泣きながら頭を下げた。
「ところで有理さん。あの妖魔たちはレーヴァちゃんを狙ってたようね」
「そのようっすね。けどなんで……なあ、おまえ、何か心当たりあっか?」
そう言われたレーヴァは笑いながら有理を見つめるだけだった。
「この街の周りには結界が張られたはず……それを突破してくるのはよほどの"大物"が絡んでいるか大きな犠牲を
はらったってことだと思うわ。それほどまでしてリーヴァちゃんを狙うなんてよほどの理由があるはず」
「理由・・・…すか?」
「ええ、理由」
有理は思い出したようにレーヴァの持っていた"手紙"を五月に見せた。
「これは?」
「わかんねけど、レーヴァが大事に持ってたんだ。けど読めねえーから意味わかんねーしよ」
五月は手紙を見た。
「これは……」
有理は肩をすくめた。
「見覚えあるな……」
五月の後ろからロックが手紙を覗き込んだ。
「こら! おめーには見せてねえ」
「うるせー。五月さん、これは人間世界の文字じゃありません。それにこの徽章。これに見覚えありますよ」
「何か思い出せない? ロクさん」
「……うーん、なんだったか……そうだ! "審問の部屋"だ」
「うへっ! あれは最低なとこだぜ」
「どうやら、この件は"組合"に委ねた方がよさそうね」
「組合ねえ。俺、あの"お歴々"って苦手なんだよなぁ」
「おい、有理! 五月さんの言うとおりだ。この件には大物が絡んでる。嫌でも"組合"の力を借りるんだ」
「うっせえな……わかったよ」
渋々したがう有理はレーヴァの小さな手を握りしめた。
「お前、一体、ナンだってんだよ……」
レーヴァは笑いながら有理を見るだけだった。
「破幻の迷い子」了
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