|
AH-11" コマンチ"は森の木々の先端、接触寸前の高さで飛行していた。ステルス機能を備えている為、レーダー
いはかかからない。さらにサイレントモードの機能でブレードの回転音とジェットの排気音は極力下げられていた。
ボール状の偵察用カメラは目標の"城"を映し出した。その映像は後方に集結している攻撃ヘリ"アパッチ"に転送
されていた。
後方の針葉樹林から重装備の攻撃ヘリ群が姿を現した。アメリカ先住民の戦士の名前を持ったその攻撃ヘリは、
ホバーリングを続けながら命令を待っていた。
400以上も前に建てられてその城は今ではマフィアの所有物だ。各所には銃機関銃や対空ミサイルが備え付けら
れている。かつてオスマン・トルコの軍勢を迎え撃った城の作りは実戦的で守りに固く近代装備の軍隊でも落とすの は困難に思われた。城壁の中は槍ではなくAK-47を持ったロシアンマフィアたちが目を光らせていた。
門をくぐりトラックが数台は入っていった。トラックが内部の敷地て止まるとすぐに荷降ろし用のフォークリフトが駆り
出された。手馴れた作業でトラックからコンテナを運び出す。だがミスとは慣れた作業ほど起きるものだ。コンテナの 作りがヤワだったのか、運び方が悪かったのか一個のコンテナが地面に落下した。コンテナの一部が破損して中身 がこぼれ出た。
「なにやってる!」
責任者らしき男がわめき散らした。
「さっさと拾え! 馬鹿め!」
こぼれ落ちたのは"土"だった。少し湿気を含んでいるような黒い土。コンテナの中身はそれだった。
そばにいた者たちが慌ててその"土"を広い集めてはコンテナの中に戻していた。
|