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「へえ…リーヴァだけじゃなくて、あたしの事も知ってんの?」
有理は刃先を甲賀に突きつけた。
「"我ら"のリーヴァテインを盗んだ戯け者だと聞いている」
「……戯けって?」
「それって馬鹿にされてるんだぞ、有理」
「え? まじで? このやろう! ムカつく野郎だな!」
有理が怒り出す。
「その"刀"、妖魔をも切ると聞いているがこの俺は切れるかな?」
甲賀の右手から何かが生え出した。アサルトライフルの銃口だ。
「反則だそ! それ」
甲賀は右手を有理に向けた。
「死ね」
銃弾が有理を襲う!
「やばっ!」
有理は素早く身をかわした。コンクリートの地面に破片が飛び散る。身体を回転して起き上がると肩ひざをつきなが
らグロックを甲賀に向けた。引き金が引かれた。銃弾は甲賀の肩を貫く。身をよじる甲賀の肩から白い煙が上がり始 めた。
「せ、聖弾か!」
「おまえらみたいな化け物相手に普通の弾を使うと思ったか!」
「ならば……」
甲賀の身体が攻撃機の中に溶けるように沈み込んでいった。
「逃げるか!」
「違うな…気をつけろ。有理」
ロクはライフルを構えた。
突然、建物が揺れだした。
「なんだ?」
A-10攻撃機はエンジンを作動し始めた。ジェットの轟音が室内に響く。機体は変形を始め、昆虫ようなの足が胴体
から生え出していた。ものの数秒でその姿は飛行機ではないものに変形していた。
「えれー反則だな、こりゃ」
「気をつけろよ、A-10は地上攻撃用だ。特にヤバいのは……」
A-10攻撃機を取り込み怪物と化した甲賀は頭らしき部分に付いている30oガトリングガンが有理たちに向けられ
た。
「あれだよ、30oガトリングガン……逃げろ!」
無数の薬莢が弾き飛ぶと同時に銃弾が有理とロクの足元に撃ち込まれた。コンクリートの床が撃ち砕かれ破片が
飛ぶ。
『久しぶりに会えてうれしいかったが、ロク。俺には一仕事ある。これで失礼させてもらうぞ』
怪物と化したA-10攻撃機は足を使って格納庫から這い出ていった。
「くそ!」
「おい、ロク。あれ使えねーのかな?」
有理は格納庫の奥を指差した。
「あれは……」
そこにあったのはもう一機のA-10攻撃機だった。
滑走路に這い出た怪物A-10攻撃機は翼ではなく翅を広げた。
『偉大なるヴァニール"炎の妃殿下"の命により、これより"アシール"の国を駆逐する!』
怪物A-10は飛び立った!
「おい、、見ろよ」
廃墟の中から生き残った住人たちが曇った空を指差した。
「飛行機じゃないぞ、あれ……」
薄暗い空を何かがジェット気流の雲を作りながら飛んでいた。そのシルエットは飛行機ではなく巨大な昆虫の姿だ
った。
怪物は一路、東を目指した……。
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