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東を目指す怪物を追う機影が見えた。同じくA-10攻撃機だがこちらは正常なままの機体だった。
「見えたぜ、ロク」
「ああ……」
ゴーグル越しにロクは先を飛ぶ怪物A-10攻撃機を睨みつけた。
「しかし、お前が攻撃機の操縦ができるとはなぁ……知らなかったぜ」
「えっ? はじめてだよ、操縦」
「はい……? ゆ、有理さん?」
「だから、初めてだって飛行機の操縦」
「な、なんで飛んでるんだ!」
「なんでかなぁ。でもいいじゃん、飛べてるから、ははは」
「はははじゃねーよ!」
ゴーグル越しにロクは涙目になっていった。
視界に先行する怪物A-10攻撃機が見えた。
「なあ、ゴリ」
「だれがゴリだ」
「聞いときたい事があるけど……」
「なんだ?」
「撃てんのかよ、あんたの先輩だろ? あれ」
「……昔の話だ。奴の持っているのは旧式だが核爆弾だ。このまま行かせたら日本のどこかに落とすだろう」
「確認したかっただけさ」
「おまえこそ、あれは五月さんの旦那だぞ」
「まじ?」
A-10の速度が落ちた。
「こら、こら、何、やる気なくしてんだ」
「だ、だってよぉ……五月さん、旦那さんの手紙見て泣いてたんだぜ」
「そうか……だが、見逃せば多くの人が巻き添えになる」
「そうだけど…あーっ! くそったれ!」
有理はスロットルを開けた。A-10は急速に目標に接近していった。
怪物A-10攻撃機は接近する有理たちのA-10に気がついた。
ロク?
……追ってきたのか? ははは…根性あるじゃないか!
怪物A-10攻撃機は何を思ったか反転して有理たちに向ってきた。
「あいつ! こっちに向ってくるぜ!」
「チキンレースやる気だ! 引くな! 有理!」
「ちくしょう! どーにでもなれってんだ!」
有理はバイザーを下ろした。
怪物A-10攻撃機の進行方向直線上に有理たちのA-10が重なった。ロクが30oガトリングガンの発射スイッチに指
をかけた。
『死ね! 石井六輔三等陸尉!』
怪物A-10攻撃機は30oガトリングガンの射撃しながら突っこんできた! 弾丸が有理たちの機体の一部を貫通す
る。
「やられた! ロク」
「避けるな、有理! このままいけ!」
「くそったれ!」
ロクはトリガーを引いた。30oガトリングガンの銃身が高速で回転していく!
銃弾が怪物A-10攻撃機の身体を貫通していった。さらに数十発がコクピット付近を貫通した。
交差する2機の攻撃機。その機体の一部が接触した。
「や、やばっ!」
振動する機体を必死に立て直そうと有理は操縦桿をきつく握った。
怪物A-10はバランスを崩すと煙を上げて墜落していった。
なんとか体勢を立て直した有理たちのA-10は旋回しながらその様子を見守っていた。
「おい、やっちまってから言うのもなんなんだけどあれって核爆弾積んでるんだろ?」
「墜落で核爆弾は誘爆しない。そういうようで出来てる」
「あ、そうなの? ならいいけどさ……」
甲賀の怪物化したA-10攻撃機は地上に墜落して爆発した。オレンジの炎が黒煙と一緒に立ち上った。
さよならだ……甲賀の兄貴
ロクはコクピットの中から炎上する機体に向って敬礼した。
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